一般に量販店などで売られている家庭用Wi-Fiルータを客室のアクセスポイントとして利用されているケースを見ることがあります。これはコスト的な面で致し方ない部分もあるのだと思いますが、我々Wi-Fi設計に携わる身からすると、あまりお勧めできません。
これはWi-Fi「ルータ」と名前の通り本来はご家庭で使うルータです。
アクセスポイントとして使用する場合は、切替スイッチなどでルータモードからブリッジモードに変更して使用します。(オートモードもありますが絶対にやめてください)
これが時折、ご宿泊のお客様やキーパーさんなどが勝手に切替スイッチを切り替えてしまったり大惨事が起こってしまうことがあります。こうなると同一ネットワークにルータが2台存在することになりWi-Fiにスマホやパソコンがインターネットへの出口がわからなくなってしまい下手をすると全館にわたり通信断の影響を及ぼしてしまうこともあります。また過去にはアクセスポイントモードでもルータモードのようなふるまいをする機種、不具合もありました。(ファームウエアのバグでした)また家庭用アクセスポイントは業務用アクセスポイントと比べ動作も不安定、故障率も多いと認識しています。
このような障害が発生すると客室が多い施設さまですと、どのお部屋の機器が影響を及ぼしているのか特定するのに大変時間もかかりますし何よりご宿泊のお客様に大変なご迷惑をおかけしてしまいますので家庭用ルータをアクセスポイントとして実際に導入する際には起こりうるリスクとコストを検討する必要があるかと思います。
もちろん弊社では。どうしても家庭用ルータを導入する際には最低限の影響範囲で済むような設計、設定をいたします。(あまりお勧めはしませんが・・・)